ある神社について

あ、いいチャンネルができたね。情報の置き場所としてお借りしますよ。

私の職場・槇神社は雑木林に囲まれた小さな拝所です。鳥居は置かず、石段の入り口の両脇に植えた杉に縄を渡して外界との境界としています。鳥居を置くにも木を切らないといけませんからね。鳥居のために木を倒すくらいなら、その木に鳥居役をお願いすればいいだけなので、そのまま使います。

石段を登るとまた杉と縄の境界があり、その先に小さな拝殿があります。拝殿というのはお賽銭箱が置かれている、あの前面フルオープンの建物ですね。人間が神様を拝むための施設なので、雨風に当たらずお祈りできれば適当なプレハブでもいいらしいんですが、中央から目をつけられるのも嫌なんで一応それっぽい外観にしています。まあ私が作業場に使ってる社務所よりもだいぶ小さいんですけど。

で、拝殿に向かって右手にある白い壁の平屋が社務所です。好きにしていいと言われてるのでマジで好きに使っています。光回線引いてるからネット環境は良好ですよ。事務所(という名のリビング)・宿直室(という名の寝室)・あとキッチン風呂トイレ洗面所などなどがあります。普通に1LDKの家状態ですね。そのうち怒られそう。

私の今の仕事は主に拝所エリアの管理とスケジュール調整や記録、情報収集、外部とのやりとり、あとは自分で書きためた日記のデータ化です。めっちゃあるんですよ、日記。紙が高級だった時代は予算と場所を食うって文句言われまくってたんですけど、今となっては貴重な記録になっててよかったんじゃないかと大きな顔をしています。ただ、自分で書いた文章なのに何百年も前の記録だと古文書状態になってしまってる上に私の記憶も相当あやしいので、古文の読み方をネットで調べながら自分の日記を解読するハメにはなってますね。OCRも効かないし。何やってるんだろう。

え?神社なら本殿があるだろうって?あるでしょそこに。拝殿のうしろの森。あれ全体が、私たちが守っている本殿です。奥の院もこの中にあるんですけど、ご覧の通り木や草が覆っているから外から見ることはできません。上空から見てもただの森にしか見えませんね。森の植物と同僚の咒師が道を隠してるから普通の人は入れないんです。解いてもらいましょうか?私がついてるから迷うことはないと思いますけど。一人で入ると二度と出れなくなるから、道が見えてるときでも勝手に入らないように気を付けてね。